研究課題
基盤研究(C)
高病原性であるCryptococcus gattii株のR265株(米国株)、JP02株(国内分離株)においてはマクロファージによる貪食能がC. neoformans H99株(標準株)に比較し低下していた。またR265株、JP02株ともにIFN-g添加による貪食率への影響はほとんど認められなかった。マウスクリプトコックス髄膜炎モデルにおいて、C. neoformans H99株を接種したマウスに、INF-gを投与すると、生存期間の延長が認められたが、C. gattii R265株を接種したマウスに、INF-gを投与しても、非投与マウスと比較し生存期間の延長は認められなかった。
新興感染症である高病原性Cryptococcus gattii感染症おいて、Cryptococcus neoformans感染症と極めて異なり、肺などの感染局所での宿主炎症反応が極めて乏しいとい現在までの研究結果に関して、C. gattii株がどのようにして宿主感染防御機構を回避しているかについて検討を行った。その結果、これらはC. gattiiが自然免疫から逃避していることが関与していること、またこれは炎症性サイトカインであるインターフェロンガンマによっても影響が認められないことが解明された。これらの結果は、高病原性であることの病態解明に大いに貢献するものと考えている。
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