研究課題/領域番号 |
17K10322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
橋本 学 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 室長 (80314805)
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研究分担者 |
門司 晃 佐賀大学, 医学部, 教授 (00294942)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 認知症 / 神経栄養因子 / 炎症 / 海馬 / 記憶 / アパシー / 白質病変 / 遂行機能 / アルツハイマー病 / 身体活動度 / 海馬萎縮 / BDNF / 脳小血管病 |
研究成果の概要 |
身体活動により抗炎症作用があり、その結果加齢に伴う海馬萎縮が抑制されるという当初の仮説は証明できなかったが、メタボリックシンドロームと炎症により深部白質病変が進展し、アパシーを惹起していることを示した。また、炎症により神経栄養因子であるBDNFが減少し、海馬萎縮を促進するという仮説も証明できなかったが、BDNFはリバーミード行動記憶検査により測定してた記憶力と相関があった。構造方程式モデリングを用いて、記憶の障害因子としては加齢と海馬萎縮、記憶の向上には運動習慣とBDNFの高値が独立して関与することを示した。BDNFを増加させることは認知症の予防戦略として有効かもしれない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究は、不活発な身体活動が炎症を惹起し、これにより神経栄養因子であるBDNFが減少し、海馬萎縮と記憶障害を引き起こすのではないかというものであった。この仮説通りの結果は得られなかったが、炎症はアテローマ硬化を反映し、深部白質病変の増大に関与し、アパシーを引きおこすことが示唆された。一方、BDNFは海馬に直接作用するのではなく、記憶を増強することが示され、今後記憶障害を主症状とするアルツハイマー病(認知症)の予防戦略の一つとしてBDNFに注目すべきと考えられた。
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