研究課題
基盤研究(C)
肝内胆管癌の臨床検体について解析を行ったところ、意外なことに癌組織における線維化が高度であるほど予後が良好である傾向が認められた。一方、背景の非癌部については、線維化が高度であるほど予後が不良であった。線維芽細胞の浸潤と線維化に相関があり、さらに免疫細胞の中で制御性T細胞の浸潤が多いほど予後が不良であることが見いだされた。また、線維化について、構成成分であるコラーゲンについてそのサブタイプの解析を行った。癌部は非癌部と比較してtypeⅢの割合が高く非癌部のtypeⅢと癌部への制御性T細胞の浸潤に相関見られたことから,筋線維芽細胞が免疫細胞の応答性に影響し、予後に寄与する可能性が示唆された。
肝内胆管癌や膵癌は、大変予後が不良な癌で近年の癌免疫療法などの発展による予後改善もなかなか期待できないのが現状である。ほかの癌との違いを、手術で摘出した癌の組織を用いて解析することで、その性質や特徴を詳細に解析し、治療の手掛かりとなる性質を見出すことがこの研究の目的である。我々は、肝内胆管癌に浸潤する免疫細胞の特徴と線維化のについて新たな知見を見出すことができた。この知見を治療法へと展開させたい。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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