研究課題/領域番号 |
17K10547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下田 雅史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30644455)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腫瘍微小環境 / 液性免疫 / 自己抗体 / 乳癌 / B細胞 / 形質細胞 / 濾胞性T細胞 / 腫瘍免疫 / 腫瘍浸潤B細胞 / 腫瘍浸潤形質細胞 / Neoantigen / 癌 / 免疫学 / 外科 |
研究成果の概要 |
我々は血清中抗HER2自己抗体の濃度が高い早期乳癌症例の予後が良好であることを見出し既に報告している。本研究ではHER2自己抗体が高値の乳癌腫瘍における免疫学的微小環境を検討した。抗HER2自己抗体値の高値群33例および低値群20例を研究対象とした。抗HER2自己抗体高値群は低値群よりも有意に予後良好であった。高値群は低値群よりも腫瘍浸潤B細胞、形質細胞、CXCL13陽性リンパ球が有意に多く、腋窩リンパ節における濾胞性CD4陽性リンパ球も有意に多かった。以上より、抗HER2自己抗体が高値の乳癌腫瘍微小環境において、液性免疫系が活性化されていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、HER2自己抗体高値の患者群においては腋窩リンパ節においてB細胞の成熟が促され、CXCL13陽性リンパ球によってB細胞が原発巣にリクルートされることで液性免疫が活性化されるという一連の機序が明らかとなってきた。この流れが乳癌患者において実際に示された意義は大きい。乳癌は腫瘍の体細胞変異が比較的少なく、腫瘍免疫の関与は限定的と思われてきた。しかし本研究で示唆されたように、液性免疫が乳癌の腫瘍免疫においてポジティブな役割を担うとすると、本研究成果を手掛かりとして、新たな免疫療法の進展が期待される。
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