研究課題
基盤研究(C)
BRCA1/2遺伝子異常を始めとしたDNA二本鎖損傷修復機構の異常は、放射線や抗癌剤の治療効果に関与すると考えられる。また、BRCA1/2は遺伝性乳癌卵巣癌症候群の原因遺伝子である。我々は、胃癌におけるBRCA1/2遺伝子変異の臨床的意義を明らかにすることを目的に研究を行った。胃癌腫瘍組織にBRCA2変異を認める症例の予後は良好であり、BRCA2変異は胃癌の予後良好な因子であることが明らかになった。また、BRCA1/2胚細胞性変異陽性例ではプラチナ系抗癌剤の治療効果が高い可能性や、この遺伝子変異が胃癌の家族集積性に関与する可能性が示唆された。
胃癌におけるBRCA1/2遺伝子異常の臨床的意義については未だに未解明である。本研究では、胃癌におけるBRCA1/2遺伝子異常の臨床的意義について、治療効果や予後だけでなく罹患にも関与している可能性を示した。本研究は胃癌におけるBRCA1/2遺伝子異常に着目した個別化治療の発展の科学的基盤となる可能性が示唆された。また、BRCA1/2変異は胃癌の家族集積性の原因となる可能性が示唆され、胃癌サーベイランスの最適化に寄与する可能性がある。
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JCO precision oncology
巻: 5 号: 15_suppl ページ: 1-8
10.1200/jco.2018.36.15_suppl.e13618