研究課題/領域番号 |
17K11578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
手嶋 泰之 大分大学, 医学部, 講師 (10457608)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 酸化ストレス / カルシウム過負荷 / 心筋障害 / 虚血再灌流 / 電解質 / 低ナトリウム / 心筋虚血再灌流障害 / 活性酸素種 / 低ナトリウム血症 / 虚血再灌流障害 / 慢性心不全 / 細胞内カルシウム過負荷 |
研究成果の概要 |
本研究では低ナトリウム濃度への曝露による心筋虚血耐性への影響について培養心筋細胞とモデル動物を用いて明らかにした。 低ナトリウム濃度への曝露により心筋における活性酸素種量と細胞内カルシウム濃度が有意に上昇し酸化ストレスに対する脆弱性が亢進していた。透過型電子顕微鏡を用いてミトコンドリアの形態学的変化を評価した結果、低ナトリウムモデルの心筋ではミトコンドリアが膨化し、著明なクリステの破壊像を認めた。ランゲンドルフ心臓灌流装置を用いて心臓を低酸素に暴露した結果、低ナトリウム血症モデルでは再灌流後の左室内圧の回復が減弱しており、さらに心筋梗塞領域の拡大を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低ナトリウム血症が心不全患者の予後を悪化させる関連性が以前より指摘されていた。今回の研究結果より低ナトリウム濃度への曝露が直接的に心筋細胞に作用し細胞内カルシウム過負荷や活性酸素種増加を介して細胞障害を惹起することを明らかにした。さらに低ナトリウム血症への曝露により虚血再灌流に対する脆弱性が亢進することも見出した。これらの研究結果は低ナトリウム血症の予防と補正が心疾患の発症と増悪の抑制に有効である可能性を強く示唆している。特に虚血性心疾患における心筋ダメージが低ナトリウムにより拡大することから再灌流療法前に介入することで有望な治療ターゲットとなりうると考える。
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