研究課題
基盤研究(C)
我々はCXCL14が強力な癌抑制効果を示すサイトカインであることを証明した。またCXCL14トランスジェニックマウス用いた扁平上皮癌細胞移植実験では、①腫瘍が定着するものの組織が大きくならないこと②病理学的検討で腫瘍内における血管が少ないこと、を明らかにしている。癌抑制性サイトカインCXCL14は、SDF-1、VEGF、IL-8、bFGF、IP-10などの癌の血管新生に関与する分子の機能阻害作用を有することが報告されており、血管新生と関連すると思われる血管内皮細胞とCXCL14関連を検討するために、CXCL14の遺伝子発現変動をマイクロアレイ解析やデータマイニングデータをもとに解析を進めた。
分子標的治療薬・セツキシマブは、単剤ではなく、従来の抗がん剤と併用することで抗腫瘍効果を示すことが明らかとなっている。なぜ併用され始めたかを文献的に調べてみたものの、確定的なものは存在せず、まとめると「併用したら効果があった」といったものであった。我々はこれまでに、セツキシマブ投与時に癌細胞内でCXCL14の発現の変動がセツキシマブの抗腫瘍効果に関与することを明らかにしている。CXCL14が癌組織内での血管の正常化に関与することが証明できれば、新たなCXCL14の機能解明 のみならず、セツキシマブと従来の抗がん剤の併用療法の意義を証明するものとなりうる。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
International Journal of Molecular Sciences
巻: 20 号: 8 ページ: 1872-1872
10.3390/ijms20081872