研究課題
若手研究(B)
南極沿岸域における氷床・海氷・海洋の相互作用は,全球規模の海洋深層循環や海水準の変動,ひいては気候変動に多大なる影響を与える。本研究課題では,観測的知見が乏しい東南極を対象に,南極沿岸システムの観測研究を実施し,(1)暖水流入に伴う白瀬氷河舌の底面融解プロセス,(2)トッテン棚氷の前面および近傍海域における暖水分布の特徴,(3)ケープダンレーポリニヤにおける高密度陸棚水および沖合起源暖水の水塊特性と空間分布の季節変動性,に関する知見を得た。
特に,「データ空白域である棚氷近傍での海洋観測と棚氷の氷厚変化の直接観測を同時に実施し,海洋学と測地・雪氷学双方のアプローチから東南極沿岸システムにおける暖水流入の実態とその影響」について,主に観測研究により明らかにした点に学術的意義がある。これら現場観測を軸とした研究成果は,東南極沿岸システムの変動が全球規模の海洋熱塩循環や海水準変動へ与える影響を精度良く評価する上での基礎的知見となる。さらに,将来予測に欠かせない数値モデルの検証およびその精度向上にも貢献し,ひいては気候モデルにおける海洋熱塩循環や海水準といった全球環境将来予測スキルの発展に資する。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 12件、 招待講演 1件)
Report of the Working Group on Ecosystem Monitoring and Management, CCAMLR
巻: WG-EMM-2019/42
Polar Science
巻: - ページ: 25-33
10.1016/j.polar.2016.09.002