研究課題/領域番号 |
17K12845
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
自然共生システム
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
白井 正樹 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 主任研究員 (30758660)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光害 / 動物生理 / 保全生態学 / 海洋保全 / 海鳥 / 誘引 / 行動観察 / ステレオ撮影 / 海洋生態系 |
研究成果の概要 |
本研究では、オオミズナギドリの巣立ち雛が光刺激に対して示す応答を評価し、落下現象が発生するメカニズムを明らかにすることを目的とした。本研究の結果、巣立ち雛の落下は蛍光ランプ付近で多く発生する傾向が見られた。また、繁殖地内に実験的に照明を設置すると、光刺激に対して雛が接近していく様子が観察された。さらに、巣立ち雛の外部計測値を親鳥と比較したところ、巣立ち雛のほうが翼面荷重は大きく、飛行するためには親鳥よりも速度を上昇させる必要があると考えられた。以上の結果から、オオミズナギドリの巣立ち雛の落下現象は、巣立ち雛が照明へ誘引される特性に未熟な飛行性能が加わることで発生することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、照明タイプによってオオミズナギドリへの影響が異なる可能性が示されており、照明の影響を軽減する上での基礎データとして活用できる。また、照明による誘引から最終的な落下までを包括的に取り扱ったことで、巣立ち雛の落下を引き起こす要素として新たに飛行性能という視点を提示することができた。 今後、日本の外洋では洋上風力発電をはじめとする海洋開発が盛んに進められると考えられる。本研究の成果は、海洋開発における照明のあり方を検討する際に有効に活用でき、細密な保全空間の設定に寄与する。また、身近に存在する照明が海鳥に与える影響を示すことで、社会全体の海洋生態系保全への意識向上にもつながると考える。
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