研究課題
若手研究(B)
カルシニューリンは記憶・学習に重要な役割を果たしていますが、どうやってその機能を実現しているかを理解するためには、生きた神経細胞でその動きや酵素活性を「見える化」し、人為的に操作する手法が必要になります。本研究では、カルシニューリンとCaMKIIの動きを「見える化」し、以前申請者が開発した光刺激と酵素活性を計測する方法を改良し、より細かく速い応答を見えるようにしました。そして、人為的な光刺激によってシナプス構造が変化する際のカルシニューリンとCaMKIIの活性の相違を明らかにしました。この結果は、記憶や学習といった高次脳機能の基盤となるシグナリングのルールを理解するうえで重要なものとなります。
本研究によって、生きた神経細胞のシナプスや樹状突起で、カルシニューリンの動きやその活性が時間とともに強くなったり弱くなっていく様子を動画として捉えることに成功し、世界に先駆けた成果が得られました。これは、記憶や学習といった高次脳機能のメカニズムを理解するうえ重要なものとなります。また、カルシニューリンは、高次脳機能をはじめ、免疫系や循環器系など全身における生理や病態に非常に重要な役割を果たしています。今後、本研究の手法を発展させることで、これら病態を細胞レベルで理解する道筋ができてゆくと考えられます。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
The Journal of Neuroscience
巻: 38 号: 24 ページ: 5551-5566
10.1523/jneurosci.2357-17.2018