研究課題/領域番号 |
17K13285
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 神戸大学 (2021-2022) 静岡県立大学 (2017-2020) |
研究代表者 |
下條 尚志 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (50762267)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 政治的動乱 / 闇経済 / 家族・親族関係 / 混淆 / 辺境 / メコンデルタ / 戦争 / 社会主義 / 東南アジア大陸部 / 国境 / 河川 / 海域 / 上座部仏教 / 経済的中心 / 多民族 / メコン |
研究成果の概要 |
本科研では、ベトナム―カンボジア国境を越えて広がってきた河川・海域世界に調査対象を設定し、その広域的な世界のなかで近現代の政治的動乱を経験した市井の人々がどのような生存戦略をとってきたのかを検討してきた。具体的には、移動や闇経済活動、非合法越境ルートの生成に焦点を合わせてきた。本科研を通じて得られた最大の成果は、拙著『国家の「余白」――メコンデルタ 生き残りの社会史』(2021)である。この著書は、2015年に提出した報告者の博士論文を基にしつつ、本科研で実施したベトナム、カンボジア、タイでの広域調査の成果を取り入れ、大幅に加筆・修正したものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本科研の学術的意義は、20世紀東南アジア大陸部が経験した戦争と社会主義を、市井の人々の立ち位置から捉え直したことである。従来の研究においては冷戦史観やナショナリズムという観点から論じられてきたベトナム戦争や戦後の社会主義の問題を、本科研では、国際紛争に奔走されつつもそれを乗り越えようとする人々の日々の生存戦略とそれを実現させた河川・海域世界という空間から問い直した。 本科研の社会的意義は、東南アジアのみならず政治的混乱を経験した、たとえばアフガニスタンや南スーダンといった地域における人々の生存戦略を理解するうえで、多くの示唆を与えたことである。
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