研究課題/領域番号 |
17K13347
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
|
研究機関 | 一橋大学 (2018-2019) 東京藝術大学 (2017) |
研究代表者 |
上田 泰 (上田泰史) 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 日本学術振興会特別研究員(SPD) (90783077)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | カノン形成 / パリ国立音楽院 / 定期試験 / ピアノ教育 / フランス音楽 / 20世紀前半 / レパートリー / カノン / 「フランス的」規範 / 定期試験曲目 / 作品受容 / パリ音楽院 / 音楽学 / 音楽教育 / ピアノ |
研究成果の概要 |
この研究は、19世紀末から20世紀中頃にかけて、フランスのパリ国立音楽院の学内定期試験で、どのような作品が演奏されたのかを網羅的に調査し、レパートリーの変遷のなかで、フランス人作曲家の作品の位置づけを明らかにするものです。フランス音楽といえば、今日では、ドビュシー、ラヴェル、フォーレ、フランクといった作曲家が音楽大学の試験や演奏会で採り上げられます。この調査によって、そうしたイメージが定着し始めたのは1930年~40年代にかけてであることが明らかになりました。しかしフランス人では、彼ら以上にサン=サーンスの作品がはるかに頻繁に演奏され、フランスのピアノ音楽の代表的存在だったことが分かりました。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、20世紀前半のパリ国立音楽院で、どのようなピアノ作品が重視されたのかを明らかにしました。作成した定期試験演奏曲データベースは、だれもが検索できるような形で公開される予定です(公開時期・方法については報告書参照)20世紀の演奏レパートリーは、純粋な美的価値づけのみならず、戦争や政治的背景、産業など複雑な背景の中で形成されました。この背景の一端を、本研究の成果を通して知ることにより、現在私たちが教育制度の中で親しんでいるピアノ音楽がなぜ重視な地位を占めているのか、またなぜ、ある作品はレパートリーから外れていったのか、といった視点を提供し、演奏教育の規範を見つめ直す機会を与えてくれます。
|