研究課題/領域番号 |
17K13595
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
相島 葉月 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (40622171)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 身体 / 社会階層 / エジプト / 教養 / 美意識 / 新自由主義 / 空手道 / モダニティ / 都市 / ポストスポーツ / 美的感覚 / グローバル化 / 文化ナショナリズム / 都市中流層 / ポストコロニアル / スポーツ / 文化人類学 / ナショナリズム |
研究実績の概要 |
本研究課題は、ネイションを束ねる指標の一つとしてスポーツに着目し、現代中東におけるグローバルな潮流のもとに再編成される国民文化や都市中流層のイメージについて、 エジプトの空手家コミュニティに関する民族誌的調査を通じて探求している。エジプトの都市中流層が、日常生活においてグローバル化や新自由主義の潮流をどのように経験し、向き合っているのかを把握するために、空手の練習や競技会において参与観察や聞き取り調査を遂行している。また、ナショナリズムが実践される様相を考察するために、コーチと選手及びその父兄と言った空手に関わる人々が、どのように個としての欲求と、社会の期待との折り合いをつけているのかを、臨地調査とデジタル素材を組み合わせたマルチサイテット・エスノグラフィーによって描き出すことを目指した。 本年度の前半は新型コロナウィルスの収束の目途が立たず、エジプトへの渡航計画が立てられなかったため、アラビア語文献データベースAskZadとフェイスブックなどのSNSを利用して、エジプトの空手家コミュニティの動向をフォローした。また、スポーツ研究についての二次資料を購入し、本課題の成果を論文としてまとめるための理論的枠組みを検討した。 グローバルサウスにおける新自由主義についての民族誌をまとめた論文集『ネオリベラリズムを生きる』及び日本と中東の間の文化的知識の往還についての論文集 Globalisation and its Enchantment の企画書を作成し、論文を寄稿するとともに編集作業を進めた。 イギリスの植民地支配を経て社会主義政策のもと世俗的近代を経験したエジプトで、スポーツが宗教に代わる国民文化として機能してきたことについてのエッセーが、『丸善イスラーム文化事典』に所収された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・中東とスポーツのグローバル化については概ね順調に進んでいる。 ・エジプトの空手家コミュニティの変容を、新自由主義政策に端を発したポストスポーツとして論じる試みは概ね順調に進んでいる。 ・都市中流層のスポーツと社会階層に関する言説については概ね順調に進んでいる。 ・グローバル化と民衆的ナショナリズムの関係性については隣地調査での裏付けが必要である。今年度も当初は海外出張が難しかったため、新聞やSNSなどデジタル素材を利用してデータを収集し、分析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
・AskZad Digital Libraryを利用して、エジプトメディアの空手道に関する報道を分析したい。 ・エジプトの空手実践をポストスポーツの理論的枠組みで分析する論考をまとめる。 ・日本と中東の文化交流とグローバル化について、エジプトの空手家コミュニティの事例から再考する論考をまとめる。
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