研究課題/領域番号 |
17K13981
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 施印 / 出版文化 / 無料 / メディア / 教化 / 陰徳 / 妙徳 / 菱垣元道 / 弘法大師 / 易学 / 医学 / 随身 / 孝学所 / 揚名 / 河瀬友山 / 清水堂 / 孝学堂 / 思想 / 教育 |
研究成果の概要 |
近世における「施印」の教育的な意義を解明するため、本研究は、「施印」資料の全国調査と、孝学友山と菱垣元道という人物の「施印」活動の事例研究を行った。前者の結果として、297点の「施印」を仮目録に整理することができた。後者の結果、それぞれの「施印」の作成・流通過程の詳細が浮かび上がったのみならず、彼らが「無料」で配布した理由について、以下のことが明らかになった。すなわち「施印」は、「陰徳」や「妙徳」を積む手段として認識されたと同時に、「揚名」と「売名」にも利用されたのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「施印」の作成・流通・意義を解明することを通して、従来、商業出版が提供する「有料」の「知」に依拠してきた教育史研究に、「もう一つ」の「知の伝達」システムの存在を明らかにした。情報が「有料」か「無料」のどちらで伝達されるかによって、その情報の質・量・流通・受容がどう変わるのかについて、今後の研究が無視のできない問題となったのである。これはアカデミアに対する問題提起であると同時に、インターネットの普及によって情報の「無料化」が急速に進み、学校や大学の「知」の独占が崩壊しつつある現在社会にも、今後の教育の在り方を考えるための不可避の視座である。
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