研究課題/領域番号 |
17K14200
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
解析学基礎
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
千葉 優作 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (90635616)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 多重劣調和函数 / ケーラー多様体 / 正則ベクトル束 / モンジュ・アンペールカレント / 正則線束 / トーリック多様体 / カレントの台集合 / 多重列調和関数 / ベクトルバンドルのコホモロジー / 正カレント / 擬凸領域 / コホモロジー / 複素モンジュ・アンペール方程式 / 多重劣調和関数 / 正則関数 / 関数論 |
研究成果の概要 |
多重劣調和関数のレビ形式が正となる集合(非多重調和領域)がケーラー多様体の位相的、解析的な性質と深く関わることを示した。中でも、ケーラー多様体上の正則ベクトル束のコホモロジーと非多重調和領域上に制限したベクトル束のコホモロジーが、ケーラー多様体の次元の半分より小さい次数の場合に同型や単射を与えることを示した。この結果はハルトークスの拡張定理を部分的に含む。さらにケーラー多様体のド・ラームコホモロジーと非多重調和領域のド・ラームコホモロジーの間の同型や単射を導いた。この結果は古典的なレフシェッツの超平面定理の解析的な類似を与えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多重劣調和函数の非調和領域が空間全体のコホモロジーと関わるという結果は、多変数関数論や複素幾何学に新たな視点をもたらした。非調和領域は複雑であり、何か統一的な性質を持つということはこれまでの研究では触れられていなかった。しかし本研究により、非多重調和領域はケーラー多様体全体の性質と深い関わりが明らかになり、この結果は今後さまざまな数学の研究分野に応用できると期待できる。例えば、複素力学系や正則曲線の定めるアールフォルスカレントの研究、さらにトロピカル幾何学に応用を持つと言える。
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