研究課題/領域番号 |
17K14309
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
大木 洋 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (50596939)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 格子QCD / 数値シミュレーション / 素粒子標準模型 / 宇宙論 / CP対称性 / 素粒子論 / CP対称性の破れ / 素粒子標準模型を超えた物理 / 初期宇宙 / 格子ゲージ理論 / 重力波 / 宇宙物理 / 理論核物理 |
研究成果の概要 |
物質優勢宇宙の起源の解明のため、CP対称性の破れを引き起こす物理量の一つである核子の電磁双極子能率(EDM)に対して、格子量子色力学(QCD)による第一原理計算を行なった。特に外部電場を用いた新たな核子EDMの計算手法の研究とその数値計算による実証を行なった。この方法は運動量の外挿による系統誤差がなく、またゲージ場の揺らぎによる誤差が小さくなることが期待され、グルーオン演算子を含む様々な物理量に応用出来る可能性がある。 またインクルーシブ過程を用いた小林益川行列要素の精密計算を行い、またその手法を核子相関関数に拡張し、核子崩壊における新たなインクルーシブ過程の非摂動計算手法の研究を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然界の基本的な対称性であるCP対称性とその破れの起源の探求は、自然界の基本的な物理法則の探求や宇宙の成り立ちに迫る自然科学における根源的な課題と関連する。電気双極子能率はCP対称性の破れを引き起こす代表的な物理現象であるが、従来の研究成果では誤差が大きく、素粒子標準模型やそれを超えた新物理の検証には不十分であり、本研究のように大型計算機を用いた格子理論に基づく第一原理計算による新たな知見が自然界の極微の世界の解明や宇宙の起源に迫る上で重要である。また高エネルギー物理学や宇宙観測など、日本が主導する国際的実験プロジェクトに対する理論的基礎の構築にも貢献する事が出来ると考えられる。
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