研究課題/領域番号 |
17K14323
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
石井 悠衣 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50708013)
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研究協力者 |
河口 彰吾
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 間接型強誘電体 / 強誘電体 / 構造揺らぎ / 量子常誘電体 / ソフトモード / 構造相転移 / 誘電体 / 量子常誘電性 |
研究成果の概要 |
本研究では,新規強誘電体である充填トリジマイト型酸化物BaAl2O4の構造相転移と,その抑制によって生じる「構造揺らぎ」に注目し,新たな量子誘電相の発現を目指して研究を行っている.本物質では,Baサイトを少量のSrで置換することで強誘電転移が抑制された結果,構造が揺らいだ状態が絶対零度付近まで維持されることが,本研究のこれまでの結果から明らかになっている.本課題では,放射光X線を用いた構造解析と,マクロ物性評価を行うことで,結晶性固体では通常見られない,非晶質的な性質が,本系で見られていることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,これまで研究例が少ない酸素四面体を基本とする新規強誘電体に注目し,強誘電転移の抑制によって生じる構造揺らぎの特徴と,構造揺らぎがマクロ物性に与える影響を調べた.その結果,2.5 K以下の低温で過剰な格子比熱が生じており,非晶質固体において従来知られている過剰比熱の特徴と非常によく類似していることがわかった.放射光を用いた単結晶X線回折の結果からは,本系では結晶の周期性を維持したまま,骨格構造の乱れに起因した短距離相関を形成していることが明らかになった.本結果は,結晶性固体においてそれと相反する非晶質的な性質が見られていることを意味し,学術的に大きな意義をもつと考える.
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