研究課題/領域番号 |
17K14945
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 東京大学 (2018) 国立研究開発法人理化学研究所 (2017) |
研究代表者 |
田尾 賢太郎 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (10708481)
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研究協力者 |
藤澤 茂義
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 神経生理学 / 意志決定 / 前帯状皮質 / 電気生理学 / 意思決定 |
研究成果の概要 |
本研究では、報酬の履歴にもとづいて行動を選択しているときの脳活動がどのような情報を表現しているのか、また行動にどのような影響をおよぼしているのか、マウスの確率的逆転学習課題をもちいて検証することを目的とした。当初標的とした不確帯からの記録技術確立は困難であったが、その上流領域である前帯状皮質の神経活動を観察したところ、報酬あるいは無報酬の積み重ねを表現する細胞群が確認され、この活動が無報酬による選択の切り替え (lose-shift) に必要であることを発見した。さらに、このような神経活動には偏桃体からの長距離投射が関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前帯状皮質の神経細胞が意志決定にもとづく行動選択の帰結、とくに無報酬など負の結果を表象することは以前より知られていたが、そのような無報酬の蓄積を表現する神経活動の行動選択における必要性を速いタイムスケールで明らかにしたことは新規の知見である。さらに、この神経活動および行動選択が扁桃体外側基底核からの神経投射により支持されているという発見は、予測誤差計算における扁桃体の役割を再考するうえで興味深い。ある種の精神神経疾患では柔軟な意志決定に障害を来たしていることがあり、そのような疾患の病態生理を解明するうえで有用な示唆を与える可能性がある。
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