研究課題/領域番号 |
17K14947
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
細川 智永 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (30602883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | シナプス可塑性 / synaptic plasticity / learning and memory / synaptic structure |
研究成果の概要 |
FRET技術を用いてPSDのCaMKIIの活性を測定した。PSDにおけるCaMKIIの結合パートナーを質量分析により網羅的に探索したところ、既知の結合パートナーを含む多数の蛋白質が同定された。 この結合の生理的意義を調べるため、香港科技大学との共同研究のもと、人工PSDを用いた。これは精製したPSDタンパク質を混合していくことでPSDと似た性質を持つ構造体をin vitroで作成する手法である。CaMKIIの存在下でカルシウムを添加しCaMKIIを活性化させたところ、PSDの顕著な拡大が見られた。このことは本研究の仮説であるCaMKIIの構造的役割を強く示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シナプス可塑性の分子メカニズムは、これまでのCaMKIIの活性化によるAMPA受容体のリン酸化というモデルが複数の論文によって覆され、新たなモデルを提案する必要があった。本研究では、CaMKIIの酵素活性よりもその構造的役割に注目している。本研究によるとCaMKIIはカルシウムに反応しPSDにリクルートされ、その12量体で様々な蛋白質を繋ぎ留めることでシナプスタンパク質の量を増加させ、ひいては長期増強を実現している。このことは、CaMKIIの高すぎる発現量や特徴的な12量体構造の謎を解決するとともに、シナプス可塑性及び学習機構の新たなモデルを提唱するものである。
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