研究課題/領域番号 |
17K15055
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物資源保全学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 摩耶子 京都大学, 野生動物研究センター, 特定准教授 (00794504)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 卵巣 / 卵子 / 卵胞発育 / 野生動物 / 移植 / 保全 / 卵胞 / 応用動物 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
研究成果の概要 |
本研究は希少動物保全のための生殖介助技術の開発を目指し、野生肉食動物のモデルとしてイヌとネコを用いて、免疫不全動物への卵巣組織の移植による原始卵胞の発育誘導法を検討した。イヌの凍結後の卵巣組織を免疫不全ラットへ移植した結果、移植9週間で原始卵胞から二次卵胞まで卵巣組織内の卵胞発育を誘導できることを示すとともに、卵胞発育能を保持した状態で卵巣組織を凍結保存できたことを示した。この成果の野生動物応用を目指し、野生動物の卵巣組織・卵子を凍結保存する『卵巣バンク』の取り組みも推進している。また、鳥類に対象を拡げ、ニワトリで卵子を保存する凍結保存技術の開発を行い、国内希少鳥類への応用にも取り組んでいる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少動物の保全に生殖介助技術を用いる取り組みはこれまでも行われてきたが、未だ全ての雌の受精能力を保存する方法は確立されていない。本研究は凍結した卵巣内の未成熟な生殖細胞を周辺環境ごと他の動物種体内で体外発育させられることを示すもので、性成熟段階や繁殖周期を問わず、雌の卵巣から体外受精可能な卵子を獲得できることを示唆する。これは、幼弱期に死亡する例の多い野生動物の雌の配偶子も保存・繁殖活用できる可能性を示しており、実際に「卵巣バンク」として国内希少種を含めた野生動物の卵巣組織保存・蓄積にも取り組みも進めており、社会的関心の高い野生動物保全へ貢献する成果である。
|