研究課題/領域番号 |
17K15113
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹内 康人 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特別研究員(PD) (10735187)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | カルシウム / 上皮恒常性 / 細胞競合 / 細胞間コミュニケーション |
研究成果の概要 |
正常上皮細胞層に生じた変異細胞や死細胞は、上皮組織から積極的に排除されることが知られている(apical extrusion)。しかし、その詳細なメカニズムは不明であった。本研究は、細胞内カルシウムに着目し、上皮細胞における変異細胞の認識メカニズムを明らかにすることを目的とした。RasV12変異細胞内でカルシウム濃度が増加し、連続して、同心円状に周囲の複数の正常細胞に渡って、カルシウム濃度の増加の伝搬を発見した(カルシウムウェーブ)。解析の結果、カルシウムウェーブは、apical extrusionのトリガーであり、変異細胞の排除を促進する役割があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、カルシウムウェーブは、進化的に保存され、上皮細胞のextrusionに共通した普遍的な現象であることが、明らかになった。このことは、上皮組織が、不要な変異細胞や死細胞を排除するために、カルシウムウェーブを用いて上皮恒常性維持している可能性が示唆された。ほとんどのがんが上皮細胞から生じることから、本研究によって、カルシウムを介した新たな上皮細胞層の恒常性維持機構のメカニズムが明らかになり、従来の方法と全く異なるがんの予防や治療につながるさらなる成果が今後期待される。
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