研究課題
若手研究(B)
転写因子導入によるヒトES細胞の分化誘導を制御するオープンクロマチンを同定するためにATACシーケンス法を行った。MYOD1導入による骨格筋分化およびNGN2導入による神経分化の解析を行い、それぞれに特異的に存在するオープンクロマチン領域を数千箇所同定した。さらに発生過程や成体の細胞において元来MYOD1やNGN2が結合するオープンクロマチン領域以外に、ES細胞に導入した際に特異的に出現するオープンクロマチン領域が存在することを明らかになった。これら2タイプのオープンクロマチン領域により制御される近傍遺伝子が協調して働くことによって、ダイレクトな細胞性質変換が可能になると考えられる。
本研究のオープンクロマチン解析では、転写因子ネットワークの変化を詳細に解析することが可能である。個々の転写因子の抗体を用いてゲノム上の転写因子結合サイトを同定する実験では、1500個の転写因子のネットワークを体系的に捉えることができない。オープンクロマチンを調べることにより、細胞分化過程におけるゲノム上の「転写因子結合マップ」を作成することができる。そのため、転写因子ネットワークの全体像が明らかとなり、「幹細胞」と「分化細胞」の違いを生み出す分子基盤を理解できると考えられる。また、新規分化誘導因子が明らかになれば、ES細胞を自在に分化誘導できる革新的技術の開発も期待できる。
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