研究課題/領域番号 |
17K15211
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
遺伝育種科学
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
塩野 克宏 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (20610695)
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研究協力者 |
遠藤 伸之
鈴木 耕拓
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | アポプラストバリア / イオノーム / 湿害 / カスパリー線 / スベリン / 外皮 |
研究成果の概要 |
根の表皮側に形成されるアポプラスト(細胞外空間)輸送のバリア機能は耐湿性に深く関与すると考えられている。本研究では、この外側のアポプラストバリア機能を失ったイネ変異体 (reduced culm nomber1, rcn1)を用いてバリアが湿害回避に果たす役割の解明を試みた。イオノーム解析により、過湿ストレスを受けたrcn1変異体では根にNaとKが過剰蓄積し、総量の変化はないもののFeが根の表皮近くに集積することが分かった。Na、KおよびFeの蓄積がrcn1の生育阻害の原因である可能性が高いが、RCN1遺伝子の過剰発現体がアポプラストバリアを形成できなかったため、結論づけるには至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
根は水や養分(元素)を吸収する重要な器官である。表皮から維管束に至る水と元素が通過する経路では内側(内皮)と外側(外皮)にカスパリー線とスベリン層が形成され、細胞外空間(アポプラスト)を通過する物質移動を抑制している。外皮は根の最外層に位置するため、その物質選択機能は養水分吸収や不良環境への適応に重要と考えられている。外皮形成能力を欠いたイネ変異体の解析から、過湿ストレスの回避にNa、K、Feの過剰吸収を防ぐことが重要である可能性が示唆された。本研究では過湿ストレス下での外皮のアポプラストバリアの機能について新しい知見を付加することができた。
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