研究課題/領域番号 |
17K15303
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
水圏生産科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
竹内 清治 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (50758844)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | アサリ / 稚貝 / 生息場環境 / 漁場管理 / 投石・覆砂 / 足糸 / 隠蔽色 |
研究成果の概要 |
貝殻・底質色の関係が稚貝生残に与える影響を調べるため、野外調査と室内実験を行った。野外調査の結果、稚貝の貝殻色が地点間で有意に異なり、貝殻・底質色間に正の相関関係が存在することがわかった。さらに、室内実験の結果、貝殻・底質色の一致によりアサリ稚貝が視覚依存捕食者に捕食されるリスクが低減することがわかった。また、アサリの足糸形成頻度に影響する因子の特定のため、野外調査と足糸腺の組織学的観察を行った。調査の結果、アサリの足糸形成頻度が体サイズと肥満度により決まることがわかった。さらに、組織観察の結果、成貝での足糸形成頻度の減少が足糸腺の消失によるものでないことがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、天然のアサリ個体群がしばしば高密度帯を形成する砂礫底が果たす「物理的安定化」以外の役割に着目し、本研究全体を通じて砂礫底がもつ新たな役割の一端を解明した。特に、アサリ貝殻色―底質色のマッチングによる被食率の低減(隠蔽効果)の存在を野外調査と室内実験の組合せにより実証し、現行の漁場管理方法で見落とされてきた“色に基づく”管理の可能性を見出すことができた点は学術的にも社会的にも意義がある。
|