研究課題/領域番号 |
17K15366
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
林田 京子 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 特任助教 (40615514)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トリパノソーマ原虫 / 進化 / ゲノム / 人獣共通感染症 / アフリカトリパノソーマ / Trypanosoma evansi / スーラ / ズーノーシス / 分子進化 / トリパノソーマ / 血清抵抗性 / トランスクリプトーム / 野外分離株 |
研究成果の概要 |
ヒトはトリパノソーマ原虫に対する自然免疫因子であるTLFと呼ばれる血清成分を有し、動物感染性のトリパノソーマの感染は成立しない。一方でTrypanozoon亜属の2種の原虫はヒトへの感染能を獲得し、それらはヒト感染性のトリパノソーマへと進化した。本研究では世界中に蔓延している家畜感染性Trypanosoma evansiを試験管内でヒト血清抵抗性へと馴化させ、ヒト血清抵抗性に関わる原虫因子の同定を試みた。RNAseq の結果、試験管内にてヒト血清抵抗性を獲得した原虫では、TLFのレセプター分子、HpHbRの遺伝子を含む転写単位のmRNA発現が有意に減少していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトのアフリカ睡眠病を引き起こすTrypanosoma brucei と、家畜の病原体であるT. evansiは近縁関係にあるが後者はヒト血清抵抗性を有さない。本研究ではT. evansiを試験管内でヒト血清へ馴化し網羅的遺伝子解析を行った。結果、ヒトの抗トリパノソーマ因子TLFのレセプターHpHbRの発現が血清抵抗性T. evansiで減少していることを明らかにした。本知見はヒト血清抵抗性の獲得という現象が、Trypanozoon亜属に共通して起こりうる現象であることを示唆する。T. evansiが新たな人獣共通感染症の原因となりうるのか、今後慎重に検討すべき課題であると考えられる。
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