研究課題/領域番号 |
17K15581
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有岡 将基 九州大学, 医学研究院, 助教 (20733554)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | DIF-1 / 乳がん / 細胞増殖 / がん転移 / STAT3 / トリプルネガティブ / DIF / 細胞浸潤 |
研究成果の概要 |
Differentiation Inducing Factor-1(DIF-1)は細胞性粘菌が分泌する天然物質で、様々ながん細胞株において、抗腫瘍効果を発揮することを我々は見出したが、乳がんにおける効果は明らかでない。乳がんの5年生存率は、ステージⅠおよびⅡで90%以上であるのに対して、ステージⅣでは22%とがん遠隔転移が著しく生命予後を悪化させる。本研究はDIF-1の抗腫瘍薬としての創薬を目指し、乳がんに対するDIF-1の抗腫瘍効果を検討した。DIF-1は試験管内およびマウスの実験どちらにおいても抗腫瘍効果を発揮した。DIF-1は乳がんへの有効な抗腫瘍薬になりうることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の抗腫瘍薬はがん細胞の細胞増殖を強制的に拘束し、細胞を殺すことができる一方で、正常な細胞も殺すことで強い副作用が患者の体を衰弱させる原因となっている。DIFは細胞性粘菌が分泌する天然物質である。自然界から見つかった抗生物質や植物アルカロイドなどは、微生物や植物が身を守るための「毒」である。しかしDIFは「毒」ではなく、粘菌の遺伝子発現を調節し、細胞の形を変化させることをもたらす生理活性物質であるゆえ、DIFは生体内において細胞毒性を示さない。DIFは「がんを殺さず、がんとの共存する、有害反応の少ない抗がん薬」という新しいコンセプトの薬が開発できる可能性がある。
|