研究課題/領域番号 |
17K15653
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
犬飼 円 北里大学, 医学部, 助教 (10525695)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 膠芽腫 / グリオーマ幹細胞 / S100A4 / Myosin9 / 低酸素 / がん幹細胞 / S100 A4 / Sox9 / 癌幹細胞 |
研究成果の概要 |
膠芽腫細胞の幹細胞化機構におけるS100A4/Myosin9(MYH9)系の役割を検索した。その結果、①壊死部周囲にS100A4/MYH9陽性膠芽腫細胞を多数認めた。幹細胞マーカーのNestin発現が亢進した。② PLA法で、低酸素領域の膠芽腫細胞で高頻度にS100A4/MYH9結合が生じた。③小血管周囲にS100A4/SM-actin陽性の腫瘍細胞を認めた。④塩化コバルトによる擬似低酸素下で、膠芽腫培養細胞はS100A4とMYH9発現増加を確認した。以上から、S100A4陽性膠芽腫細胞は、低酸素ニッチや血管ニッチで、S100A4/MYH9との会合を介して膠芽腫細胞の幹細胞化に寄与する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国で年間2千人の患者が発生する膠芽腫は、5年生存率が10%前後と極めて予後不良で、その原因の一つに自己複製能・多分化能を特徴とするグリオーマ幹細胞の存在がある。膠芽腫の新規治療戦略として、癌幹細胞の“幹”細胞としての形質 “stemness”を失わせることができれば、その高い腫瘍原性能(癌細胞集団を供給し再発巣を作る力)を喪失させ全腫瘍細胞集団を死滅させることが可能になる。本研究では、S100A4/MYH9 axisが低酸素・血管ニッチでの幹細胞化機構に密接に関与する可能性を得た。今後、この成果をさらに発展させることで膠芽腫の新規治療法の確立を目指す基礎研究に発展する可能性がある。
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