研究課題
若手研究(B)
TGF-βによる樹状細胞分化制御機序:正常細胞では恒常的に発現しているTGF-βI型受容体(ALK5)によりリン酸化される受容体Smadの内、Smad3の発現抑制が古典的樹状細胞(cDC)分化に必須である一方、Smad3の発現維持が形質細胞様樹状細胞(pDC)分化を誘導することとその分子機序を明らかにした。TGF-β阻害薬の全身投与量依存性抗腫瘍効果とTGF-β阻害薬を用いた樹状細胞ワクチン開発:ALK5阻害薬は高用量投与時には寧ろ腫瘍の進行と転移を促進することをマウスB16黒色腫モデルで明らかにした。試験管内でTGF-β阻害薬処理した樹状細胞はマウスB16黒色腫モデルで有効であった。
がんに対する免疫が弱められないようにする免疫チェックポイント阻害薬が有効ながん免疫療法として保険診療で処方できるようになりましたが、副作用や効果が無い場合があります。一方で、がんに対する免疫を強める樹状細胞を用いたがんワクチン療法も開発段階にありますが、治療効果は未確定です。TGF-βというサイトカインはがんに対する免疫が弱めるので、抑えるとがんに対する免疫を強め、免疫チェックポイント阻害薬の効果を高めることが報告されていますが、全身投与では副作用の可能性もあります。本研究成果は従来の樹状細胞ワクチンより簡単な方法で治療効果が高く副作用が少ないがん免疫療法の開発につながる可能性があります。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 484 号: 2 ページ: 269-77
10.1016/j.bbrc.2017.01.093
120007134941