研究課題/領域番号 |
17K15919
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
水野 恵 山形大学, 医学部, 医員 (00715394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肝内神経線維 / 肝神経支配 / 慢性肝炎 / 肝線維化 / 慢性肝疾患 / 肝内自律神経 |
研究成果の概要 |
本研究では、NASHやウイルス性肝炎といった代表的な慢性肝疾患における肝内神経線維の変化と機能の解明を目的とし、肝生検標本を用いて免疫組織化学染色にて神経線維を同定し、正常肝と比較検討した。これにより、慢性肝疾患では神経線維が減少していることと、肝疾患の原因によって差がある可能性が示された。また、肝線維化が高度な群では、軽度な群よりも有意に神経線維量が減少していたことから、線維化と神経線維量が関連していることが示唆された。 更に、C型慢性肝炎の抗ウイルス治療前後で肝生検を施行された症例では、治療後に肝内神経線維量が回復傾向にあることが示され、肝内神経線維の変化は可逆的であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝臓内の神経線維は肝血流量、胆汁分泌、代謝などの調節を行い、肝線維化にも自律神経系が関わっていると考えられている。 本研究では、ヒトの代表的な慢性肝疾患である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)とウイルス性肝炎の肝生検標本を用いて、肝内神経線維量について検討した。肝線維化が高度な群では神経線維が有意に減少しており、肝炎の原因によっても差があることが示された。抗ウイルス治療により肝線維化が改善した症例では肝内神経線維量も回復しており、肝内神経線維の可逆性が認められた。このことから、慢性肝炎の病態に肝内神経線維が関係している可能性が示唆され、神経系を介した新たな治療法の足掛かりとなると考えられる。
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