研究課題/領域番号 |
17K15926
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 裕美子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (30722334)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / CagA / 胃がん / 脱リン酸化 / 細胞間接着 / 胃粘膜病変 |
研究成果の概要 |
本研究において、ピロリ菌病原因子CagAがSHP1およびSHP2を介してE-cadherinをチロシン脱リン酸化することを明らかにした。このE-cadherinチロシンリン酸化量の低下には、CagAにより活性化したCSKも関与することが示唆された。CagA発現により脱リン酸化されるE-cadherin細胞内ドメイン中のチロシンを含む領域を2か所同定し、このうち1か所のチロシンのリン酸化量がEGF刺激により増加することを見出した。さらに、これらのチロシンのリン酸化状態が、隣接する細胞間の接着強度に関わることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、ピロリ菌CagAはE-cadherinのチロシンリン酸化状態を変化させることにより胃上皮細胞間の接着構造に影響を与えることが強く示唆された。上皮細胞間の接着構造の乱れは、その構造が持つ生理学的な意義から、様々な胃粘膜病変の発症につながることが予想される。年間70万人が胃がんで命を落としている現状において、その予防法・治療法開発は急務である。予防としてはピロリ菌の除菌が有効ではあるが、腸上皮化生まで進行した段階での除菌は発がんリスクに影響しないとも言われる。本研究の成果は、ピロリ菌除菌では既に対処できない発がんの阻止や新たな胃がん治療法開発の上で重要な意義を持つ可能性がある。
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