研究課題/領域番号 |
17K15943
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
牧野 祐紀 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60771334)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 肝細胞癌 / CTGF / 肝星細胞 / 腫瘍間質反応 / 抗体療法 |
研究成果の概要 |
肝細胞癌切除検体において、癌部では非癌部に比しCTGFが高発現しており、CTGFの発現量は肝細胞癌の悪性度に関連していた。 Kras変異肝発癌モデルマウスにおいても癌部でCTGFの発現上昇を認め、同マウスにおいてCTGFを欠損させると肝癌の増大進展が抑制された。 さらに細胞株を用いた検討において、CTGFは肝癌間質に存在する肝星細胞と肝癌細胞の腫瘍間質反応に関与して肝癌に促進的に作用していることが明らかとなった。CTGFを介した腫瘍間質反応はCTGFに対する中和抗体により阻害可能であり、CTGF中和抗体が肝癌に対する新規薬剤に成り得ることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞癌は本邦における癌による死亡の第5位を占める難治癌である。薬物療法は肝細胞癌の治療選択肢の一つであるが、現在本邦において使用可能な薬剤の有効性は十分とはいえず、新規薬剤の登場が望まれている。 本研究課題により、CTGFに対する中和抗体が肝癌細胞と肝星細胞の腫瘍間質反応を阻害する作用を有することが明らかとなり、肝細胞癌に対する新規薬剤に成り得ることが示された。CTGF中和抗体は膵癌に対して既に臨床試験が行われており、今後肝癌に対しても臨床応用が進められることが期待される。
|