研究課題/領域番号 |
17K15954
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
園田 光 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (40751045)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | SLPI / 腸炎 / TRAF6 / アンピシリン / バンコマイシン / 好中球 / プロテアーゼ阻害 / 腸管バリア機能 / 抗生物質 / 炎症性腸疾患 |
研究成果の概要 |
LPS刺激によりTRAF6シグナルを介してマウス腸上皮細胞株からSLPIが誘導されることを見出した。SLPIは、好中球エラスターゼ阻害活性を有し組織損傷に対する保護作用が示唆されているが、腸管組織における生理的機能は不明である。そこで、SLPI欠損マウスのDSS誘導腸炎を解析したところ、変異マウスの病態が悪化する事が明らかになった。また、偶然にも、アンピシリンとバンコマイシン2剤の抗生剤を経口投与すると、腸内細菌叢と代謝物の変化、盲腸の肥大、腸管組織のバリア機能の低下および便潜血が起きることを見出した。新たな薬剤起因性腸炎モデルの確立とその病態機序の解明に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌成分によって腸上皮細胞から誘導されるSLPIが、腸管組織における恒常性の維持に重要であることが遺伝子改変マウスの解析から明らかになった。すなわち、SLPIはプロテアーゼ阻害活性により過剰な炎症反応で生じる組織損傷に対して腸管組織を保護していることが示唆された。また、抗生物質投与後に各種腸炎が引きおこされることが知られているが、マウスにアンピシリンとバンコマイシンを投与することで、腸内細菌叢の変化による薬剤起因性腸炎が誘導されることを見出した。新たな腸炎モデルの確立とその病態機序の解明により、今後のヒト腸疾患の予防法・治療法の開発に貢献するものと考えられる。
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