研究成果の概要 |
転写因子NF-kBのサブユニットの1つであるc-Relが癌細胞の生存や増殖に関与していることは知られている. 我々はc-Relは低酸素環境で誘導されるHIF-1αの標的遺伝子であり, 低酸素環境において, 誘導されることを発見した. しかし, c-Rel阻害ががん細胞阻害につながるかは不明であった. そこで, 今回, 新規 c-Rel inhibitor である IT-901 を用いて, c-Rel 阻害が低酸素環境下で膵癌細胞の増殖や, 上皮間葉転換, 幹細胞様性質を抑制させることで抗腫瘍効果を検討し, c-Rel 阻害が低酸素環境でこれらの効果を有することがわかった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌に対する新たな作用機序を有する抗癌治療が期待される中, 我々は転写因子NF-κBのサブユニットであるc-Relに注目した. 我々はc-RelがHIF-1αの標的遺伝子であり, がん組織などの低酸素環境において, 誘導されることを発見したが, c-Rel阻害ががん細胞阻害につながるかは不明であった. そこで, 新規 c-Rel inhibitor である IT-901 を用いて, c-Rel 阻害が低酸素環境下で抗腫瘍効果を有するかどうかを検討し, c-Rel 阻害が低酸素環境でこれらの効果を有することがわかった. 今後, 膵癌に対して新たな作用機序を有する治療法となる可能性がある.
|