研究課題/領域番号 |
17K16046
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
荻野 広和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (20745294)
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研究協力者 |
Afroj Tania
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 線維細胞 / 免疫療法 / 分子細胞呼吸器学 / がん免疫療法 |
研究成果の概要 |
線維細胞の腫瘍免疫における機能を解析すべく、まずヒト末梢血由来線維細胞の表面マーカーを解析し、PD-L1の他、CD54、CD86の高発現を確認した。線維細胞をヒト末梢血由来CD8陽性T細胞と共培養したところT細胞の増殖が促進され、これはCD54、CD86阻害でキャンセルされた。末梢血より単離直後のCD8陽性T細胞はPD-1を発現しないが、IL-2刺激にて発現が誘導された。IL-2存在下で線維細胞はT細胞の増殖を抑制し、これはPD-L1阻害でキャンセルされた。以上より線維細胞は非活性化T細胞の増殖をCD54、CD86を介し促進し、活性化T細胞の増殖はPD-L1を介し抑制する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胸部悪性腫瘍領域においても免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が盛んに用いられているが、一部の症例では本薬剤による治療効果が得られず、より良い治療戦略の構築および薬効を規定するバイオマーカーの開発が臨床上急務である。近年化学療法剤や血管新生阻害剤とICIの併用効果が報告されているが、至適併用法は未解明な部分が多い。 本研究では腫瘍間質に存在する線維細胞の腫瘍免疫における役割を解析し、上述の様に本細胞が腫瘍免疫を活性化する可能性が示唆された。本細胞を標的とする治療法の開発が癌免疫療法の有用性を向上させることにつながる可能性を含んでおり、本研究成果は学術的・社会的意義の大きいものであると考える。
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