研究課題
若手研究(B)
オートファジーは、自己の細胞質成分をリソソームで分解するシステムであり、特にミトコンドリアのオートファジー(=マイトファジー)はミトコンドリア品質維持に重要な役割を果たす。本研究では、組織特異的にマイトファジーをモニタリングするマウスを作成したと同時に腎尿細管におけるオートファジーは1型糖尿病や高リン負荷、急性腎傷害から慢性腎不全への移行時において活性化しミトコンドリア保護的に働く一方で、2型糖尿病モデルではオートファジーが抑制されていることが明らかとなった。またマイトファジーの一部はPINK1/Parkin依存性であることが示唆された。
本研究では組織特異的にマイトファジーをモニタリングするマウスを作成したが、このマウスを使用することで今後腎疾患に限らず様々な疾患においてマイトファジー活性を正確にモニターすることが可能である。更に遺伝学的スクリーニングや化合物ライブラリーを用いたスクリーニングと併用することによりマイトファジー制御分子機構の解明やマイトファジー活性化薬の開発の一助となることが期待される。また本研究では2型糖尿病の腎尿細管ではマイトファジーが抑制されていることが明らかとなり今後2型糖尿病性腎症に対してマイトファジーを活性化する治療法が有用であることが示唆された。
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J Am Soc Nephrol
巻: 30(6) 号: 6 ページ: 929-945
10.1681/asn.2018100983