研究課題
若手研究(B)
液胞型ATPase(V-ATPase)はオルガネラ小胞のpHを調節し、タンパク質の細胞内・外の輸送に関与している。今回、V-ATPase阻害による線維化抑制効果について腎内構成細胞で検討した。まず、マウス腎皮質集合管由来のM1細胞を使用し、TGF-β誘導性の線維化に対するバフィロマイシン(BAF:V-ATPase阻害薬)の効果を検討した。TGF-β誘導性に増加した線維化タンパク質等は、V-ATPase阻害により細胞質内オルガネラにとどまっていた。次に、腎線維化モデルであるUUOにてBAFの腎線維化抑制効果を検討したが、肝毒性が強く、腎線維化の治療としてBAFを使用することは困難と考えられた。
腎線維化の進展にはV-ATPaseにより調節される細胞内酸性オルガネラを介したタンパク質輸送が関与している。障害により誘導された線維化タンパク質は、V-ATPase阻害により細胞外への輸送が抑制され、細胞内の酸性オルガネラにとどまるようになる。組織障害に伴う線維化に対し、障害を受けた組織特異的なV-ATPase阻害により線維化を抑制し、組織を保護できる可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 8 号: 1 ページ: 2648-2648
10.1038/s41598-018-20940-x
https://tohokupd.jimdo.com