研究課題
若手研究(B)
本研究では、 遺伝性、および薬剤誘導性のSLEモデルマウスを解析することにより、いずれのマウスにおいても経時的に自己抗体価の上昇や、腎糸球体へのイムノグロブリン沈着が起こること、病態早期において、免疫細胞内への脂質蓄積が増加することを見出した。このとき、血中や肝臓における脂質代謝には変化が認められなかったことから、SLEの発症や進展の過程における免疫細胞の脂質蓄積は、全身の脂質代謝とは独立して制御されることが明らかになった。また、全身の脂質代謝を改善する薬剤の投与により、SLE病態の一部が改善したことから、早期の脂質代謝の改善がSLE治療標的となる可能性が示唆された。
本研究により、SLEの発症や進展過程において、早期から細胞自律的な脂質蓄積が起こることが明らかになり、近年注目されている免疫代謝領域における新たな発見となった。脂質代謝改善薬の投与がSLE発症を抑制したことより、今後は、全身とは独立して制御される免疫細胞内の脂質蓄積のメカニズムを解明し、免疫細胞内の脂質の量と質の変化に着目して、より詳細に研究を進める。SLEの病態メカニズムを明らかにするとともに、SLEの早期診断マーカーや食事療法の開発を目指したい。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
Nature Medicine
巻: 24 号: 3 ページ: 304-312
10.1038/nm.4479
http://www.riem.nagoya-u.ac.jp/4/mmm/index.html