研究課題
若手研究(B)
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)症例102例の解析において,初診時血清可溶性interleukin-2受容体(sIL-2R)値で層別化すると,高値群では不良な予後を示し,特に胚中心B細胞(GCB)タイプでは高率に早期再発していた.sIL-2R値はDLBCLにおける層別化予後因子として有用であり,MYC遺伝子高発現と予後不良群との関連も示唆された.リンパ腫細胞株における検討で,GCBリンパ腫由来細胞株においてNF-kBのサブユニットRELの発現で亢進が判明し,REL強制発現系におけるNF-kBの活性上昇が判明した.RELを介するNF-kBシグナルの亢進とリンパ腫増殖の関連が示された.
臨床病理学的に多様なDLBCLにおいて,臨床的には特に予後不良亜群の存在が問題となっており,R-CHOP療法に代表される化学療法が標準療法として確立する一方,必ずしも均一な疾患単位ではないDLBCLに対して一様にR-CHOP療法を標準療法とすることへの問題点が指摘されている.これらの問題を解決するためには,まず症例の層別化が必要であり,今回,簡便な臨床検査による明瞭な予後層別化の可能性を示せたこと,またとりわけ予後不良と考えられるMYC遺伝子高発現との関連を示せたことは,今後の予後不良DLBCLへの治療開発を考える上での重要な情報の一つとなりうると考えられる.
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