研究課題
若手研究(B)
CD26はジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)酵素活性を有する多機能タンパク質であり、乾癬患者において高発現している。予備実験にてCD26高発現マウスで乾癬モデルを作製したところ、野生型に比べて掻き行動と病態の増悪が認められた。そこで申請者はCD26分子を標的としたかゆみと病態両方に作用する新規治療法の開発を目指して研究を行った。その結果、CD26はDPPIV活性を介して神経ペプチドサブスタンスP(SP)の分解し、かゆみを増悪することが示された。CD26は予備実験とは異なり病態を増悪する作用が無かったものの、その関連因子IL-26が血管新生を介して乾癬病態を増悪することを示した。
かゆみは、乾癬の患者さんの約6-9割が経験し、乾癬の症状の中でももっともつらいものうちの1つである。また、乾癬のかゆみには既存の抗ヒスタミン薬に対し、効果を示さないものが多く存在しており、その治療法の開発は急務であると言える。今回の結果は、乾癬のかゆみの増悪メカニズムの一端を明らかにしたのと同時に、CD26が発現促進しているIL-26の乾癬における紅斑(血管新生)促進メカニズムについても明らかにし、抗IL-26抗体が乾癬症状を抑えることも実験モデルで示した。これらの結果を組み合わせることで、乾癬の病状とかゆみに対して効果的な新規治療法を確立できる可能性が示された。
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