研究課題/領域番号 |
17K16394
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
紀本 創兵 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (00405391)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 統合失調症 / RNA結合タンパク質 / staufen2 / 脳神経スパイン / アクチン細胞骨格 / 認知機能障害 / 前頭前野 / 棘突起(スパイン) / 細胞骨格 / 死後脳研究 / トランスレーショナルリサーチ |
研究成果の概要 |
統合失調症では認知機能障害が認められる。認知機能に中心的役割を有する大脳皮質の前頭前野では、興奮性の錐体ニューロンにおいて棘突起の減少やRGS4やアクチン制御遺伝子といった遺伝子の発現変化が認められる。この変化が起こるメカニズムにRNA結合タンパク質であるstaufen2(STAU2)が鍵遺伝子となって、認知機能障害の分子病理に関連するかを死後脳解析により検証した。結果、統合失調症の前頭前野の全灰白質でSTAU2発現は変化を認めなかった。よって、STAU2発現は皮質層・細胞特異的な変化を受けている可能性や、錐体ニューロンで観察される変化にはSTAU2とは別の因子が関与する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症では、難治性の認知機能障害が、患者の自立や社会復帰を妨げる大きな要因となっており、病態メカニズムの解明とそれに基づく効果的な治療法の開発が急務となっている。統合失調症患者で観察される前頭前野の錐体ニューロンの棘突起の変化に焦点を当て、当該疾患患者から得られた死後脳組織を用いて棘突起の形態や維持にとって鍵となる遺伝子を同定することを目的とし研究を行った。今後、本研究の成果を棘突起の機能回復を目指した認知機能障害の治療法の開発に役立てる。
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