研究課題/領域番号 |
17K16409
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 哲也 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10634066)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 精神疾患 / 大脳皮質 / シナプス / 霊長類 / 前頭前皮質 / 自閉症スペクトラム / 霊長類モデル / シナプス形成 / シナプス刈り込み / 樹状突起スパイン / 遺伝子発現 / バルプロ酸 |
研究成果の概要 |
自閉症病態モデルマーモセット大脳皮質の第3層錐体細胞の樹状突起全体を可視化し、スパイン数が実際に増加しているのか調査を行った。VPAマーモセットは、定型発達個体と比較して大きな樹状突起展開面積を持ち、どの発達段階においても長い樹状突起をもっていることがわかった。また、定型発達個体と比較して、VPAマーモセットのスパイン密度は生後2ヶ月齢以降上昇していることが観察された。定型発達個体では、生後90日齢から成体にかけて約50%スパイン密度が低下する「刈り込み」が起こるのに対して、VPAマーモセットでは2-30%の低下となり、本モデルでASD患者のシナプス刈り込み不全を再現できていることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉スペクトラム症を含む精神疾患の病態解明、治療法の確立には、ヒトと相同な高次脳機能を示すモデル動物が必須であると考えられる。申請者らの先行研究から、マーモセットは明確な「オーバーシュート型」のシナプス形成を示すことがわかった。またマーモセット脳には、ヒトと進化的に相同な前頭前皮質背外側部が存在している。現在、精神疾患モデルとして広く使用されているげっ歯類は、領野の分化が不十分であり、シナプス増加後の刈り込み現象が観察されない。このため、「オーバーシュート型」のシナプス形成の異常によって引き起こされる精神疾患の研究を推進するためには、霊長類モデルを用いた研究が必要不可欠である。
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