研究課題
若手研究(B)
肝・膵・腎移植における補体結合性を加味したドナー特異的抗HLA抗体と臨床経過の関連について解析を行い、特に肝移植症例での解析にて、ドナー特異的抗HLA抗体の存在と移植肝の線維化との有意な関連を確認した。一方で、補体結合性抗HLA抗体と肝線維化の関連は認められず、肝移植における補体結合性の解析の意義は現時点では認められないと考えられた。また、ドナー特異的抗HLA抗体量の指標となっている蛍光強度と補体結合性の間に有意な関連を認めており、補体結合性の追加解析をこれら蛍光強度によって代替し得る可能性が示唆された。
免疫抑制療法とドナー特異的抗HLA抗体との関連、さらにはドナー特異的抗HLA抗体と肝移植後における臨床経過との関連を示す結果が得られたことで、免疫学的に寛容と考えられている肝移植においても、免疫抑制療法の至適化が重要であると考えられた。また、その免疫抑制療法の至適化を行う上で、血液検査で評価可能なドナー特異的抗HLA抗体は簡便で有用な指標となり得ることが示され、肝移植患者の安定した長期臓器機能維持を目的とした免疫抑制療法の調整に寄与する研究成果であると考えている。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)
Pediatr Transplant
巻: Dec 29 号: 1
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Pediatric Transplantation
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Transplant Direct. 2017 Jul 11;3(8):e196.
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