研究課題/領域番号 |
17K16641
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 夏子 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (00582131)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射線脳壊死 / 脂質メディエーター / リゾリン脂質 / ミクログリア / P2X4受容体 / 慢性炎症 / 放射線脳壊死モデル / リゾホスファチジルコリン / イメージングMS / 生理活性脂質 / 脳腫瘍学 / バイオマーカー |
研究成果の概要 |
脳腫瘍・頭頚部がんの放射線治療後に発症する放射線脳壊死は慢性期の副作用である。がんの再発による再照射で起こりやすく、有効な治療法が無い。生理活性脂質は様々な炎症に関わることで知られる。放射線脳壊死の病態進行に関わるメカニズムを明らかにし、新しい治療法を探す目的として、関連する生理活性脂質について調べた。マウス放射線脳壊死モデルを用いて経時的に調べた結果、リゾリン脂質は1か月後に急上昇し高値のまま慢性期まで推移した。リゾリン脂質のうちリゾホスファチジルコリン・リゾホスファチジン酸は慢性的にミクログリアを活性化していた。これらリゾリン脂質が放射線脳壊死の病態進行に関与すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性脳腫瘍や頭頚部がん患者は手術・放射線・化学療法などの標準治療の後、再発することが多い。免疫チェックポイント阻害薬の治療効果が有効でないことも多く、放射線の再照射を行うこと多い。しかし、放射線脳壊死がしばしば問題となる。有効な治療法の無い放射線脳壊死に対して、本研究は炎症に関わると注目されている脂質メディエーターの観点から治療・診断法を開発することを目指した。研究結果から、リゾリン脂質ホスファチジルコリン・リゾホスファチジン酸が脳の免疫細胞であるミクログリアを慢性的に活性化し、放射線脳壊死の病態と関与することが明らかとなった。リゾリン脂質のシグナル伝達を制御する新しい治療法の開発につながる。
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