研究課題/領域番号 |
17K16759
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 藤田医科大学 (2018) 星薬科大学 (2017) |
研究代表者 |
河田 美穂 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90761601)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | オキシトシン / 緩和医療 / ドパミン / 神経科学 / 薬理学 / 脳・神経 / 臨床 / トランスレーショナルリサーチ |
研究成果の概要 |
本研究により、オキシトシンが中脳辺縁ドパミン神経の活動を亢進すること、オキシトシン点鼻投与が側坐核におけるドパミン遊離量を上昇させると共に、神経障害性疼痛モデルにおいて鎮痛効果を示すことが明らかとなった。腹側被蓋野における遺伝子発現解析を行なった結果、オキシトシン点鼻投与によるチロシン水酸化酵素およびオキシトシン受容体の発現変化は認められなかったことから、オキシトシンはドパミン神経の形態学的変化や細胞内遺伝子発現変動を伴わず、オキシトシン受容体下流シグナルの活性化などの細胞活性調節変化によってドパミン神経を賦活化する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでオキシトシンによる鎮痛効果は 1) 脊髄に分泌されたオキシトシンが広作動域 (WDR) ニューロンを抑制すると共に GABA ニューロンを活性化する、2) 下垂体から血中に分泌されたオキシトシンが脊髄後根神経節 (DRG) の細胞体および侵害受容繊維を抑制する、という上記 2 経路によって発揮されると考えられていた。本研究により、オキシトシンが中脳辺縁ドパミン神経系を直接活性化し鎮痛効果を発揮する、という新たな鎮痛発現経路が明らかとなった。また本研究成果から、オキシトシン点鼻薬が服薬困難な患者に対して負担や副作用の少ない新しい疼痛治療薬の候補となる可能性が示唆された。
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