研究課題/領域番号 |
17K16883
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森田 真也 北海道大学, 大学病院, 助教 (80443951)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 外耳道癌 / 扁平上皮癌 / 遺伝子解析 / 次世代シーケンサー / 予後 / 耳鼻咽喉科学 / 頭頸部癌 / 耳科学 / EGFR / Notch |
研究成果の概要 |
外耳道扁平上皮癌組織に対して次世代シーケンサーを用いた網羅的な遺伝子解析を行い、病期進行や予後などの臨床的側面との関連性を検討した。検出された遺伝子変異の頻度は、TP53が59.1%、CREBBPが9.1%であった。現在まで頭頸部扁平上皮癌で同定されている主要な癌関連遺伝子であるNOTCH1、FAT1、CDKN2A、PIK3CAなどの遺伝子変異は同定されなかった。TP53変異は、T分類と有意な相関関係を示した(p=0.027)。Cox比例ハザードモデルによる多変量解析では、TP53変異が外耳道扁平上皮癌患者の生存率に関して独立した予後因子であることが示された(p=0.007)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析の進歩は著しく、発癌や癌の増殖・生存を制御する癌遺伝子および発現分子を同定し、それらに対する分子標的薬の開発が行われている。本研究から、TP53変異が、外耳道扁平上皮癌の進展度および生存率を予測するためのバイオマーカーとなりえることが示唆された。また、皮膚癌の約30%程度で同定されるCREBBP変異が同定されたことより、外耳道扁平上皮癌の遺伝子変異は皮膚癌に類似している可能性も示唆された。外耳道扁平上皮癌における遺伝子変異および発現分子の解析を報告した研究は少ないため、基礎的な研究に基づいた治療戦略の構築に向けて意義深いものと考えられる。
|