研究課題/領域番号 |
17K16931
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小幡 和史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00548703)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 頭頸部扁平上皮癌 / HDAC阻害剤 / JAM-A / claudin-1 / p63 / 悪性化 / 癌 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
研究成果の概要 |
ヒト剖検材料を用いて調べた結果、頭頸部扁平上皮癌においてヒストン脱アセチル化酵素HDAC1, 転写因子p63, タイト結合分子JAM-A, claudin-1の発現が、悪性度とともに増加がみられた。咽頭扁平上皮癌細胞株および初代培養癌細胞にHDAC阻害剤tricostain AおよびHDAC1特異的阻害剤処置により、p63, JAM-A, claudin-1の発現低下がみられ、癌細胞の浸潤、遊走および増殖の明らかな抑制がみられ、その変化は癌細胞の細胞周期の変化を介していた。この変化の一部は、p63を介してEGFR/ERK経路で調節されていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部扁平上皮癌は一般的に予後不良である。癌の浸潤・転移を亢進させる因子であるタイト結合関連分子JAM-A と、ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase:HDAC)が頭頸部扁平上皮癌で高発現していると報告されている。HDAC阻害剤の抗腫瘍効果が最近報告されているが、その作用メカニズムは不明である。 今回の研究の結果、HDAC阻害剤が頭頸部扁平上皮癌のp63の発現低下を起こし、JAM-A, claudin-1といったタイト結合分子の発現を低下をさせ、癌細胞の浸潤遊走を抑制していると考えられた。 HDAC阻害剤の作用機序解明により、頭頸部扁平上皮癌治療がさらに進むと考えられる。
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