研究課題
若手研究(B)
Semaphorin 3 (SEMA3)は近年、様々な癌腫で腫瘍の増殖、浸潤、転移を抑制すると報告されている。本研究では神経芽腫におけるSEMA3の抗腫瘍効果について検討した。ヒト神経芽腫細胞株にSEMA3A、3B、3Fを投与し機能解析を行った。その結果、SEMA3A投与により細胞遊走能の抑制が認められた。siRNAによりSEMA3Aの発現を抑制すると、Integrinβ1の発現が上昇し、腫瘍細胞の浸潤・遊走能が亢進することが考えられた。このことから、SEMA3Aは神経芽腫においてIntegrinβ1を抑制することで抗腫瘍効果を発揮することが示唆された。
神経芽腫は小児の悪性固形腫瘍では脳腫瘍に次いで頻度が高い疾患である。高リスク群の神経芽腫では集学的治療を行っているものの、未だ予後不良であり、新規治療法の開発が喫緊の課題である。本研究結果から、SEMA3Aは神経芽腫においてIntegrinβ1を抑制することで抗腫瘍効果を発揮することが示唆された。このことから、神経芽腫においてSEMA3Aを標的とした新規治療法の可能性が考えられた。
すべて 2018
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International Journal of Oncology
巻: 53 ページ: 159-166
10.3892/ijo.2018.4397