研究課題
若手研究(B)
敗血症下の心臓ではサイトカイン過剰産生による血管内皮細胞傷害が生じ、筋小胞体Ca2+放出チャネルの構造不安定化による細胞質Ca2+過負荷が心筋障害を生じると考えられている。インテグリンの強発現が小胞体上のCa2+放出チャネルのリアノジン受容体の構造を安定化させ心筋細胞内のCa2+過負荷を抑制することが報告されている。リポ多糖を20mg/kgのDoseで10週齢のオスのインテグリンα7β1D 強発現マウスと同腹仔コントロールマウスに投与して敗血症モデルを作製したところ、インテグリン強発現マウスにおいて生存率が改善し、心筋障害が抑制されていた。その機序として小胞体ストレスの減弱が考えられた。
敗血症による心機能の低下は40%-50%の患者に見られ、死亡率の悪化が示唆されている一方でその心筋障害は可逆的であり、7-10日で回復するとされており、明確な原因は解明されておらず、治療法も確立していない。本研究において心機能障害を改善することが敗血症自体の予後を大きく変わることが確認できたため、敗血症時に心保護をすることの重要性が注目されるようになると考えられた。
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