研究課題/領域番号 |
17K17074
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
野原 正一郎 久留米大学, 医学部, 助教 (20647812)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | IL-22 / 梗塞後左室リモデリング / 心破裂 / 心筋梗塞後左室リモデリング / 心筋保護 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は心筋梗塞(MI)後左室リモデリングの病態におけるインターロイキン22(IL-22)の役割を明らかにすることである。IL-22欠損(IL-22KO)マウスでは野生型マウスに比べ、MI後に高率に心破裂を発症した。またMI3日目以降の心室ではIL-22受容体発現が亢進していた。IL-22KO群ではMI後3日目の心室にマクロファージおよび筋線維芽細胞が高発現していた。線維化関連分子のmRNAの発現、また細胞外マトリックス分解酵素であるMMP13発現も高く、組織破壊と線維化の亢進が示唆された。IL-22はMI後の心室における細胞浸潤、線維化の制御を行い、心破裂を抑制していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果からはIL-22が心筋梗塞後の心破裂抑制に寄与する可能性が示唆された。心筋梗塞後心破裂の発症率は高くないものの、一旦、発症すると致死的となり、予後不良な病態であるため、その意義は高いと考える。また、IL-22は梗塞後心室における細胞浸潤やECM分解および合成にも関連することが示された。経皮的冠動脈形成術により急性期死亡率は改善したものの、左室リモデリングによる慢性期の心不全発症は予後不良因子の一つであり、重要な課題である。梗塞後左室リモデリングの制御メカニズムを明らかにし、IL-22の有効性が示されれば、慢性期の心不全への発展を予防する新たな治療戦略の発展に役立つことが期待される。
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