研究課題/領域番号 |
17K17111
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
白子 要一 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (50756377)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 病理学 / 扁平上皮癌 / 放射線 / リンパ管 / 創傷治癒 / 同所移植モデル / 腫瘍 / 歯学 |
研究成果の概要 |
本研究では、口腔癌への放射線照射で生じる脈管組織の損傷とその修復機序を明らかにする目的で、マウス舌へのヒト癌細胞株移植モデルを用いて、X線照射後の癌実質および間質の血管・リンパ管の構造変化を解析した。担癌舌組織へのX線照射により癌胞巣は壊死に陥り、舌組織では粘膜炎が惹起されたが、脈管構造は比較的安定に保たれており、一部のリンパ管内皮が増殖傾向を示した。X線照射による組織損傷後のリンパ管内皮の修復応答の速さが、残存癌細胞との相互作用を経てリンパ行性転移に繋がる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌の放射線治療に関する基礎研究では、癌の再燃に関わる組織修復機構が注目されてきたが、被照射組織において想定される複雑な癌細胞‐間質間相互作用を詳細に検証した例は少ない。また、口腔癌の多発する粘膜上皮ではリンパ管も存在するが、固形癌におけるリンパ管新生は血管新生と比較して解析が遅れていた。本研究で確立したOSC19移植によるリンパ管誘導では、移植後2週間程度で癌胞巣内に高密度のリンパ管網を構築でき、腫瘍リンパ管内皮細胞の解析に適した実験モデルとなることを実証した。癌治療における損傷血管・リンパ管の再構築機序に関する研究の推進に寄与できると考えている。
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